オカメインコの匂いを嗅いでいたい

オカメインコのナツメくんとカズラくんの記録

ブログ開始と出会いについて

オカメインコを飼った。

昔から鳥が好きだった。
鳥の目も羽も鳴き声も仕草も生態も何もかもが好きだった。
何匹かの鳥と暮らして、別れて見送って、大人になった。
オカメインコと暮らすことがずっと夢だった。でも、大人は仕事をしなくちゃならない。ペットのために時間を使う暇なんてない。
でも、雛から飼うにはどうしてもさし餌が必要だ。それに、特に神経質なオカメインコは、お迎えからの1年間は特に死亡率が高い。だからせめて環境に慣れるまでは一日中寄り添いたい。
世はコロナ禍で在宅ブームであるが、弊社にそんなものは存在しない。
飼いたいけど飼えない。そんなジレンマに苛まれ、社会人になって数年経ったある日。

身体を壊して、1ヶ月の休職を医者に言い渡された。

上司のパワハラに耐えきれなくなった心身がぶっ壊れたらしい。
突然、長い休みが降って湧いた。
今しかないと思った。

休職の初めのうちは、気力の気の字も無く、天井だけ眺めて一日を終えていた。
オカメインコをお迎えしようと思い立ったのは、状態が悪化して更に1ヶ月の休職が決まったころだ。

初めは、県内にオカメインコブリーダーの店もあったので覗いたのだが、ぼったくりかと思うほどの値段でとても手が出せなくて諦めた(色変わりのオカメインコしかいなかった。おそらく自家繁殖だろう)。
ところで、実家にはすでにオカメインコがいる。
ルチノーの気の強いオカメインコだ。そのオカメインコをお迎えしたペットショップに、見に行くことにした。
個人経営の小さくて汚いペットショップだが、対応も雛の状態もよい。ただし、コロナ禍ペット需要のためか、どのショップでもオカメインコの入荷は少なく価格も高騰している。
しかも時期は7月上旬。繁殖シーズンを微妙にすぎている。オカメインコが居るかは賭けだった。

果たして、オカメインコの雛はそのペットショップに居た。
ルチノーが何匹か、翼の欠けた(おそらく喧嘩でつつかれたものと思われる)ノーマル。どちらも水槽に入れられ、さし餌が必要な年齢だった。
そしてもう1匹。オカメインコのなかでも比較的珍しい色、ピュアホワイトのオカメインコがケージの中からこちらを見つめていた。

汚な!!!!!

ピュアホワイトを見た最初の感想はそれだった。羽の生え具合からしておそらく3ヶ月目ほどの中雛で、その腹、くちばし、顔の周りはベッタリとあわ玉やらパウダーフードやらで汚れていた。
珍しい色だと言うのに売れ残っていたらしい。理由は明白すぎるので書く必要はないだろう。
その他の雛たちは元気なものだった。私はノーマルが欲しかったのでその子をねらっていたのだが、とりあえず全ての雛たちと触れ合ってみることにした。
店員さんは、雛を1匹ずつ私の手に乗せた。
ルチノーとノーマルは、人の手が怖いのか酷く脅えていた。怖がりな性格なのかもしれない。
でも、ピュアホワイトは違った。
ケージの入口に蛾のように張り付いての出してアピール。店員さんが開けるなり飛び出てきて、そして

何故か、私の胸元へと飛んできた。

毎日餌をあげている店員さんの方が絶対懐いているはずなのに、こちらへと飛んできて、つぶらな瞳で私を見上げた。

…………その後しばらくの記憶は飛んでいる。数人の諭吉と一緒に飛ばしたらしい。
私は本当にノーマルが欲しかったし、そうでなければオカメインコ特有のあのおかめ模様か、せめて羽の黒と白の部位が残っている子が欲しかったはずだった。
でも、運命には逆らえなかったので仕方ない。

こうして、汚れた売れ残りのピュアホワイトは私と家族になった。
帰り道、道路脇にナツツバキが咲いていて、きっと将来はナツツバキのように真っ白な美しい子になるんだろうな、と思った。

だから、「ナツメ」と名前をつけることにした。
店員さんのカンによると、多分男の子らしい。何百匹以上もの鳥と触れ合ってきた店員さんのカンを信じて、普段はナツくんと呼ぶことにした。
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写真はうちに来て1週間弱経った頃のナツメくん。くちばしの周りにあわ玉をぶら下げている。
店員さんの話だと、ご飯を食べるのがものすごく下手くそでこうなったらしい。

ナツくんは私が1人で飼う初めてのオカメインコになる。
だからこうして日記代わりにブログを初めてみるなどしてみよう、と思いたった。
三日坊主なので続かないと思うし、こんな長文を書くのもこれで最後。ナツくんの成長録としてつけていけたらいいなと思う。